スージー・ズー絵本原画展

会期:2012年3月1日〜6月25日

作家について — スージー・スパッフォード

1945年アメリカ・オハイオ州生まれ。3歳の頃から、姉と一緒に鉛筆で絵を描き、クレヨンで塗って遊ぶ。高校卒業と同時にアートマーケットで水彩画を売り、画家としての活動を開始。動物たちを描いたグリーティングカードが人気となる。1998年に初めての描き下ろし絵本『Witzy and Zoom Zoom』を出版。カリフォルニア州サンディエゴ在住。

「スージー・ズー」は赤ちゃんアヒルのウィッツィーと、その友達であるお気に入りのぬいぐるみたちとのほのぼのとした愛らしい世界を描いた人気キャラクターシリーズ。そのキャラクターたちは、アメリカを中心に世界中で40年以上も愛され続けています。シリーズの歩みについては英語版ウィキペディアの解説にも詳しくまとめられています。

水彩原画と画材の展示ケースが並ぶ春の展示室
水彩原画と画材の展示ケースが並ぶ春の展示室

展示の内容

本展では「スージー・ズー」の絵本からの絵本原画や初期のスケッチ画、グリーティングカードの原画、愛用画材など貴重な資料を展示しました。

完成した絵本のページからは見えてこない、鉛筆の下描きの線、水彩の試し塗り、何度も塗り重ねられた色。スケッチから原画へ、原画から印刷物へと姿を変えていく過程を間近にたどれる構成は、来館者から「キャラクターの見方が変わった」という声を多くいただきました。長年使い込まれた画材の展示も、作家の日々の手仕事を伝える、本展ならではの見どころでした。

グリーティングカードから絵本へ

スージー・スパッフォードの出発点は、一枚のカードに想いを込めるグリーティングカードの文化でした。手のひらサイズの紙の中で完結する優しい世界が、やがて絵本という続きものの物語へと広がっていく — その軌跡は、アメリカのカード文化と絵本文化の幸福な結びつきを物語っています。半世紀近くにわたって描き続けられてきた水彩の動物たちは、世代を超えて受け継がれる「優しさの記号」になっています。

会場の記憶

春から初夏にかけての会期中、石積みの展示室にはやわらかな水彩の色彩があふれました。冬の名残の安曇野が芽吹き、新緑に変わっていく窓の外の景色と、展示室の中のあたたかな絵の世界が響き合う、絵本館らしい展覧会となりました。続く夏の展覧会はリスベート・ツヴェルガー絵本原画展。そのほかの展覧会は絵本原画展の記録からご覧いただけます。

記録について:安曇野絵本館はすでに閉館しています。本記事は開館当時の記録をとどめたものです。