リスベート・ツヴェルガー絵本原画展

会期:2012年6月28日(木)〜9月3日(月)

作家について — リスベート・ツヴェルガー

1954年オーストリアのウィーンに生まれる。美術アカデミーで学んだ後、1977年に絵本『ふしぎな子』で23歳でデビュー。1990年には国際アンデルセン賞を受賞。国際的に高い評価を得ている絵本作家であり、日本にもたくさんのファンを持っています。経歴の詳細はウィキペディアの項目でも紹介されています。

国際アンデルセン賞は「小さなノーベル賞」とも呼ばれる児童文学の世界最高の賞で、IBBY(国際児童図書評議会)が隔年で授与しています。その画家賞をツヴェルガーが受賞したのは36歳のとき。以後も世界の絵本の最前線で描き続けてきました。

夏の光が差し込む展示室に並ぶ幻想的な水彩原画
夏の光が差し込む展示室に並ぶ幻想的な水彩原画

優雅なファンタジーの世界へ

誰もが知るおとぎ話の世界を、繊細な筆遣いで描く絵本画家。卓越したデッサン力と洗練された色彩感覚で描かれる幻想的な世界は、子供から大人まで観る人を惹き付けてやみません。余白を大胆に生かした画面構成、登場人物のしぐさに宿るユーモアと品格 — ツヴェルガーの原画は、印刷では再現しきれない淡い色の階調にこそ真価があり、原画展でしか出会えない世界がそこにあります。

絵本館とツヴェルガー — 4度目の原画展

絵本館では過去3度、彼女の原画展を催し、絶大な反響を呼びました。本展は1999年夏以来となる原画展です。海外作家の原画を中心に展示するという絵本館の理念にとって、ツヴェルガーはまさにその象徴ともいえる存在であり、開館以来くり返し紹介してきた、もっとも縁の深い作家のひとりでした。

展示の内容

ツヴェルガーの作家デビュー35年の機会に、『賢者のおくりもの』『オズの魔法使い』など初期の作品から最新作までを展示しました。デビュー作『ふしぎな子』の頃のセピアがかった抒情から、後年の大胆で静謐な画面へ — 35年の歩みをひとつの展示室でたどれる構成は、長年のファンにとっても新しい発見の連続だったはずです。

会場の記憶

夏の安曇野、深い緑に包まれた石積みの展示室で、ウィーンの画家の静かな幻想世界と向き合う。冷たい飲み物を手に喫茶室で展示の余韻にひたる来館者の姿が、いまも目に浮かびます。前の会期はスージー・ズー絵本原画展、翌年春には高畠純 絵本原画展が続きました。

記録について:安曇野絵本館はすでに閉館しています。本記事は開館当時の記録をとどめたものです。