やぎ たみこ絵本原画展
会期:2013年6月27日(木)〜9月16日(月)
作家について — やぎたみこ
兵庫県姫路市生まれ。武蔵野美術短期大学卒。イラストレーターの傍らワークショップなどで学び、2005年に第27回講談社絵本新人賞佳作を受賞後、2007年に『くうたん』(講談社)で絵本作家デビュー。大人も楽しめる子供のための絵本をコンセプトに制作を続けています。2011年の『ほげちゃん』(偕成社)で第2回リブロ絵本大賞を受賞、MOE絵本屋さん大賞では第3位を受賞しました。
『ほげちゃん』だけではなく、やぎたみこさんの描く絵本の世界は、ユーモアたっぷりで空想の世界へと読者を導いてくれます。ぬいぐるみが動き出すような、日常と地続きの「ありえない世界」を、細部まで描き込まれた画面で実現する — その作風は、子どもの読者と大人の読者を同じページの前で笑わせてしまう力を持っています。

展示の内容
本展ではデビュー作『くうたん』から最新作『まんまるハオちゃん』まで、絵本10作品からの原画と、それらの創作過程で作られたスケッチや模型、手作りのぬいぐるみなども展示しました。
やぎさんの制作は、絵を描く前の「世界づくり」から始まります。登場するキャラクターのぬいぐるみを実際に手作りし、空間を模型に起こし、あらゆる角度から眺めてから画面を決めていく。展示室に並んだ模型とぬいぐるみは、一冊の絵本の背後にどれほどの手仕事が積み重ねられているかを物語っていました。原画とスケッチを見比べながら、絵本づくりの舞台裏を歩くような展覧会でした。
会場の記憶
夏休みをはさんだ会期には、家族連れの姿も多く見られました。ガラスケースの中のぬいぐるみに歓声を上げる子どもたちと、原画の細部に見入る大人たち — 「大人も楽しめる子供のための絵本」というやぎさんのコンセプトそのままの光景が、展示室のあちこちに生まれていました。会期中の最新の絵本情報は絵本ナビなどでも紹介され、遠方から訪ねてくださる方も少なくありませんでした。
前の会期は高畠純 絵本原画展。続く冬にはスタシス・エイドリゲビチウス展が開かれました。